Vol.3 早漏に効く飲み薬プリリジー

前々回のコラムでも少しお話しましたが、これまでPE(早漏症)には有効な治療法がありませんでした。2009年にジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)の製薬部門であるヤンセンファーマ株式会社(Janssen-Cilag Pharmaceuticals)がダポキセチンを主成分とする内服PE治療薬プリリジーを開発するまでは、世界中でPEに悩む男性に対して有効な手立てがなく、PE患者の多くは半ば放置されてきました(有効な治療法がなかったのでしかたありません)。悩みを抱えたまま効果があやふやな行動療法を続けたり、肉体的な負担が大きいうえに医学的な根拠に乏しい手術療法を選択してきました。

そんなPE(早漏症)患者を取り巻く環境を一変させたのがプリリジーです。

ベルギーに本社をおく、世界的な製薬企業であるヤンセンファーマ株式会社が2009年に世界初の内服PE治療薬プリリジーを発売して以来、ヨーロッパを中心に多くのPEに悩む男性に愛用され、PEの悩みから彼らを解放してきました。日本ではまだ未承認のプリリジーですが、スウェーデン、フィンランド、スペイン、ポルトガル、ドイツ、オーストリア、イタリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国などで承認され、いずれの国でも良好な治療成績をおさめています。
渋谷三丁目クリニックでは厚生労働省関東信越厚生局の輸入許可を得たうえで、ヤンセンファーマ株式会社と直接交渉し、プリリジーを輸入しています。2012年現在、日本で唯一、上記のヨーロッパの国々と同様のPE(早漏症)治療を受けることができる医療機関です。

プリリジーは短時間作用型SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)という薬に分類されます。従来のSSRIは抗うつ薬として使用されますが、短時間作用型のプリリジーには抗うつ効果はなく、たとえ連日服用したとしてもPE治療効果以外の薬効はありません。
単独では抗うつ効果を持たないプリリジーですが、従来のSSRI抗うつ薬との併用は相手の薬の効果を一過性に増強してしまう可能性があり、禁止されています。

プリリジーの具体的なPE治療効果に関しては当ホームページのプリリジーによるPE(早漏症)治療成績(海外データ)をご覧になることをお勧めします。かいつまんで説明しますと、性行為の1~2時間前に服用することで、IELT(膣内挿入後、射精までの時間)をおおよそ3~4倍に延長でき、一晩は有効ですが翌日には効果が切れます。
また、効果だけでなくプリリジーには副作用もあります。主なものとしては頭痛、めまい、嘔気、下痢、不眠、疲労感などで、いずれも1~10%未満です。その他、起立性低血圧(椅子などから立ち上がる際に、めまいや立ちくらみを起こす現象)の報告もあり、立ちくらみや原因不明の失神歴がある場合には注意が必要です。